物質と神秘・の隙間
たけし

澄み渡る青空に
赤々と色彩滴らせ
紐状花弁幾重にも湾曲結ばれ
彼岸花、輪を成し髭を反らし無言開く

いよいよ高まる青空に
透明に重なりいく女の声は 彼方も此方も自由に往き来する
彼岸を跨ぐ感情器楽

(僕には確かに

  聴こえるんだよ)

地球から太古
分離したという
太陽と月が今では
物理科学式 なら
錯綜とした自らの存在を
現世に刻み付け逝ったあなたには
神秘科学式を

知覚感覚の限界線?

不思議なのは
そのしなやか造形境界
清々した声の奔放木霊

消滅した肉の震えと
浄化された魂の慟哭
その交差を
僕はきっと見つけ出す

そのためには生きていかなきゃ駄目なんだ
たとえ今は金と暴力の愛なき砂漠が広がっていても

君と育んだ愛は
普遍へのその一つの手掛かり


涼やかな風が吹き
彼岸花、
一列に咲いている
花は無防備に隙間見せ
密やかに
緑の茎は真っ直ぐに


自由詩 物質と神秘・の隙間 Copyright たけし 2015-09-19 11:38:01
notebook Home 戻る