ゴル投稿まとめ(上げるの忘れてたやつ2013~2014)
ブルーベリー


うたって、踊っていたいだけ


君はそうやって
声を残して
暗闇の中へ
レーザー放って
「融けてしまったんだ」

背後から伸びた手
気付かない振りして
知っている振りして
モニターの顔は冷静そのもので
指先だけが興奮 ざわめけ
「うたえうたえ」

巻き舌の効果音でもって
評価:神経質、眼鏡が曇って
何かを残そうって
 をふるって
「品定めしてんだ」

そんなもんは、しったこっちゃない。イエー
晴天に舞うタオルも
闇夜に誘うカクテルも
そんなもんは、しったこっちゃないんだ、ねえ


2013/2/19

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球体の印象

無言の
静寂の
自由の
立ち合いだけで、それでよかった。

(のに)

おずおずと触れた手に伝わるのは
完璧と言い難い温もりと
離れ難い柔らかさだった
何度となく躊躇うも
それを味わうのは
やめられなかった

(ので)

光は壁を灰から救い上げ
完璧な静寂と滑らかさを壊す水音が響き始めた。


球体は身を捩ると
こちらを非難するように
顔を顰めた

僕は球体へ「おはよう」と言った
曖昧な笑みを浮かべていたと思う

心地のよい温もりの
完璧な朝だった。

おはよう。



2013/2/22

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まほうの西瓜

あの頃は泥だらけになって
まほうみたいだって思っていた

冷たいなんて誰が決めたの
夏の暑さも
涙の味も
知って大きくなりました
密やかに愁い
叩かれて笑い
もう食べ頃だと思います

種もしかけもありません

それが真実なことに
違いはないのだけれど

(もう青くはないのです)



2014/7/29
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うまれたてのぬけがら


おいていかれたと気付いたのは
震えが止まった頃だった
あなうらが覚束ない
細い針の先みたいに
揺れているのに
しがみついて
それで立っていたのだって
さっきまでしっかり私は居て
からっぽになった私も居た
どこへでも飛んでいけそうだって
さっきまで私は思っていた
揺れているのに
しがみついて
それで立っていたのかしら
そこへでも落ちてしまいそうで
さっきまで空を見上げていた
私は
もう既に居なくなった

もう飾りにもなれなくて
戯れに
悪戯に
窓の向こう
ただ居ない私を見ていた
網戸に引っ掛かっただけだった
戯れに
悪戯に
指の先は
ふにゃふにゃに壊れずにそれでも居た



2014/8/5

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自由詩 ゴル投稿まとめ(上げるの忘れてたやつ2013~2014) Copyright ブルーベリー 2015-09-17 23:38:11
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