迷宮ルーレット
千波 一也




迷宮で廻すルーレットには
なんの不可抗力もない

風に繰られる日誌のような
待ち人しらずがそこにある

許可もなく
陰影もなく
皆無もなく
わずかばかりの定義だけを添えて
ルーレットは廻り、停まる

そうして誰かがそれを謳う
あるいは描く
あるいは演じる
あるいは無知で囲う







自由詩 迷宮ルーレット Copyright 千波 一也 2015-09-17 09:56:27
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