恋の残像
陽向∮
熟された精神の元は若い心なのだろう。
小学生二年生の頃、弱肉強食とよく言う生徒がいました。
「あなたの好きな言葉」という紙にも書いており
その頃、わたしも彼と同じ齢だったものですから
ライオンがシマウマを食べるくらいの事を想像し
どうせならライオンになりたいと思った程度でした。
今思えば、そんな小さな子供が弱肉強食という言葉を勝手に好きになるとは
到底思えないので、彼の親の口癖だったのかもしれませぬ。
大人になってその事を思い出し、ふっと笑った時に
頭の中を駆け巡ったのは、滅多に怒らない美術の先生が
彼の字が汚すぎると怒鳴っていたところの事でした。
わたしが好きになる人は、男性の場合、弱者ばかりでした。
初めて女性器を見たのは、小学二年生の頃だったと思います。
子供ながら、もっと見たいと思ったのを覚えています。
その後も何度か見ましたが、興奮した事は一度もありませんでした。
小学六年生の頃、インターネットで改めて女性器を見た時
自慰の仕方を分からないなりに手で触っていたら
白いものが出て、命の危険を感じました。
その後、それは精液というものだと知りました。
同時に、童貞という宿命との闘いが始まったのかもしれませぬ。
中学生になると、女性を見るだけで、女性器ばかり浮かぶようになりました。
わたしはなぜか女性の胸には興味を抱かない男でした。
一部の男子生徒たち以外は、ほぼ童貞だっただろうと思います。
わたしが初めて経験したのは二十歳でした。
今まで杜撰に生きてきた自分には似合わず、生真面目な童貞の捨て方だったと思います。
どうせなら今までの欲求不満を解消しようと、あらゆる手段で女性と関わりました。
十三人と関わりを持ちました。何回したかは記憶から遠のいてしまってます。
そんな自分にたいし急に嫌悪感が出てきたと同時にぱたりと関わりを絶ち
もう性的な事は何も考えなくなり、性病に妙な恐れを感じてたここ最近。
変な夢を見たのでござります。
夢に出てきたそこは、わたしが通っていた中学校でした。
ブスな生徒にわたしは「セックスをさせてくれ」と云いました。
するとブスな生徒とわたしのセックスは始まってました。
その後、次から次へと、色んな女子生徒をトイレで犯していき
最後に中学生の頃恋していた女子生徒を犯してました。
わたしがとても心が弾んだのは、恋していた女子生徒が
抵抗無くわたしに犯されていた事でした。
今までその女子生徒は何度も夢に出てきましたが
わたしを一つも見ようとしてくれなかったのです。
目が覚めると、一つも性的な気持ちにはならず
恋の余韻ばかりに浸っていました。