かでぃなー 嘉手納
AB(なかほど)

 おっきい おばあ
 おきなわでもきしゃがはしってたって
 ほんとぅ

 ええ やーぬ わらばーや        ねえ お前の子は
 ぬーんでぃ あびとうが         何と言っているのかい

 うちなーん んかしや          沖縄でも昔は
 きしゃぬ あたんなーんでぃ       汽車があったのかって

 ああ ケービンぬくとぅやさや      ああ 軽便(鉄道)の事だね

 ケービンんでぃ いーねー        軽便といえば 
 せんぜんにあたぬ きしゃやいびーさやー 戦前にあった汽車ですね
 なーふぁの みぐい びけー       那覇の周辺だけ
 や あいびらんたがやー         じゃなかったですか
 おばあ                
 ぬたぬくとぅ あいびんなー       乗ったことあるんですか

 あねー あらんどぅ           そうじゃないよ
 かでぃなー までぃ ちょーたんど    嘉手納まで来てたよ
 かでぃなー までぃ           嘉手納 まで

   かでぃなー までぃ          嘉手納まで
   さんじかんぬ かかたがやー      3時間程かかったかな
   あっちどぅ いちゅたんどー      歩いて(こそ)行ったんだよ
   うぬ おじさんや           このおじさんは
   わんが てぃーひち          私が手を引いて
   やーぬ おとーや           お前のおとーは
   わんが うぶてぃ           私がおぶって
   おじいぬ いくさに いちゃぬひやさ  おじいが戦争に行った日だ
   うぬとぅち はじみてぃ        この時初めて
   きしゃんでぃ ぬむぬ         汽車というもの
   わがみでぃ いんじゅたしが      我が目で見たけれど
   うとぅるさたっさー          恐かったよお 
   おじい うとぅるさや         おじい 恐さは
   ねーんたがやー            無かったのかなあ
   きしゃぬ ちゃーに          汽車が来て
   んーな ならでぃ           皆 並んで
   ケイレーぬ すたしが         敬礼をしたけど
   わったーぬ おじいや         私達のおじいは
   どぅぬじー そーたが         どのようにしてたのか
   わしたっさー             忘れたねえ
   どぅぬじー              どのように
       そーたがやー             してたのかなあ
    どぅぬじー              どのように
         そーたがやー             してたのかなあ

   けーいぬ みちどお          帰りの道も
   わらばーたーぬ            子供達の
   てぃーひち うぶてぃ         手を引き おぶって
   やがてぃ               やがて
   ひぬ くりとーたんやー        日が暮れていたねえ

 あいえー あいえー           あれまあ あれまあ

 えー やーぬ わらばーや        ねえ お前の子は
 ぬーんでぃ いちょーたがやー      何と言っていたのかい

 なあ しむんどー おばあ        もういいよ おばあ

 ああ やさ やさ            ああ そうだ そうだ
 みった おりこーぐわー やさやー    本当にお利口さんだねえ
 かでぃなー までぃ ちょーたんど    嘉手納まで来てたよ
 かでぃなー までぃ           嘉手納 まで



自由詩 かでぃなー 嘉手納 Copyright AB(なかほど) 2003-11-10 08:55:04
notebook Home 戻る