明け方の事故
Seia


午前四時
デスクライトに集まる仄明かりを
指でつまんでは
窓から捨てた
けれど
捨てても捨てても
それらは群がり
夜は徐々にまみれてしまう

冷えている
二度目の底で
私は起きた
マグカップにたまった
珈琲の粉は
干からびる直前
まだかすかに香る
水に
つけておけばよかった

下着は
貼りついていない
サラリとした袖口
空気は循環していく
淀んだ息のかたまりは
玄関の隙間から這い出て
まだ湿ったアスファルトにころがるもやもやを
軽自動車が轢いたあと
特にそのこととは関係なく
ひっそり 季節が終わる



自由詩 明け方の事故 Copyright Seia 2015-09-14 17:47:23
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