押花の栞
もり


あなたとの記憶
水に似た感情
時間はかかったけれど
ようやく
完成

ブリキのジョウロは先週
不燃ゴミの日に出して
てるてる坊主とも
とうとう仲直りした

埃をふうと吹き払って
ふたりの本に挟んだ
押花の栞は
これから先のページを
明らかにして
永遠の白紙が
流れゆくうろこ雲

傘を捨てて
私もかわいていきたい
栞はもう
終止符として

雲にも追いつかれない
足どりで

銀河の風なんか吹かなくっても

めくられるではなく
めくるの、
きっと
めくるの。


自由詩 押花の栞 Copyright もり 2015-09-13 00:25:28
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