妖艶ゆりこ
藤鈴呼



あの頃は とても美しかったのに
ちょっと 寂れてしまったと
淋しそうな 横顔が
錆びついて しまいそうな 街並み

羽根が 無くなったら
扇風機とは 呼べないんじゃあ ないの? って
言い得て妙だね

笑い合った 唇から
汗が こぼれ落ちる

今年 初の ハーゲンダッツ
抹茶とホワイトチョコレート

ちょっと パリッとした 風味なのは
甘い板だった からなのネ

色合いが 同じでも
あちらは 抹茶で
こちらは 翡翠で ございます

ガイドの声でも
響きそうな 海岸で
呻く

ねえ あの日の 百合子さん
何処へ 行ったのですか

ちょっと しおれて
すごく かわいそう

詩玉の 一枚 だったのにネ
至極 最も 
頷きながらの 忘れもの

帽子 一枚
手袋 二枚

明日にでも
取りに 向かいましょうか

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自由詩 妖艶ゆりこ Copyright 藤鈴呼 2015-09-11 21:55:45
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