秋のあをぞら
そらの珊瑚

虫の音は過去から届くメッセージ紐解きながら浅い夢みる

つかめばするりと逃げてゆくとかげのしっぽに似た夜だ

まだら雲見ている猫の背中にもまだら雲がひとつぽっかり

朝起きて歯医者の予約を確かめて雫したたる梨の皮むく

ペチュニアのしぼむ朝来て錆びたハサミも解体される

あきかんをならべ立ち去る人の背にひとひらの蝶ひっそり止まる


短歌 秋のあをぞら Copyright そらの珊瑚 2015-09-11 09:15:08
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