葉leaf




急に進入禁止になった
今まで自由に通行していた通路に
身体は次々と進入禁止の立札を立て
私は狭められた自由に対抗すべき権限を持たず
身体が君臨し支配し禁止する
私は身体の王国の臣民に過ぎない

感情の濃度が高まった
とげとげしく不安な色合いの濃度
明るく前向きな色合いは褪せていき
感情は波のつくりを大きく変えた
意識の濃度も意志の濃度も
同じように偏って高まっていった

既に弔われていた
死する以前に名も知れぬ者に
私は厳粛に弔われてしまったのだ
確かに何かは死んだはずだが
あるいはすべてが死んだのかもしれない
弔いは完璧で鮮やかで
私は複雑な感謝でそれに報いた


自由詩Copyright 葉leaf 2015-09-11 05:30:21
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