冒険の書
ガト

雨の夜
傘をさして街に出る

顔も知らない人に会うため
自分じゃないような早足で目的地に向かった

複雑で微妙な心境
臆病な人見知り

本当に会いたかったかどうかは
今もよくわからない

ただ頭の中には
この冒険は
チョコレートの箱の中だという思いがあった

この日会わなければ
おそらく死ぬまで会うこともないだろう人

何かの縁で
雨の夜にこの場所であなたに出会った

人生は不思議に満ちている
昔からの友達のように長い長い話をした

梅田、茶屋町
一期一会の夜でした 


自由詩 冒険の書 Copyright ガト 2015-09-10 04:17:20
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