透明な十字架
るるりら

私の心の鏡に
魑魅魍魎の輩
知力欠如の姿
視力のすべて
聴力をも失い
手探りで嗅ぐ
風に混じる潮
光がさす感触
誰を呼んでも
聞えないまま
自分の声すら
耳には届かず
わたしは蚯蚓
なにも無知覚
願いはひとつ
またふたたび
世界が観たい
お化けでも幽霊でもいい なにか未知の力で私の目を開かせて
私はお礼に解放の歌を唄うから、私の盲した瞼がわずかに開き、
瞼の隙間に海が現われる、眩しい一本の線の上に、
故郷の水平線に透明な朝日が登る 海は光のさざ波となり
わたしの足元まで 光の道がゆらぐなら わたしは魑魅魍魎にすら
女神の名前をつけて 唄うよ。だから、鑑よ お願い。醜さしかない
この私に 朝日さす海の光の道を 透明な太陽を 見させてください
鑑よ 鑑、 鑑よ 鑑、 鑑よ 鑑、鑑 鑑 鑑 鑑 鑑 鑑 よ


自由詩 透明な十字架 Copyright るるりら 2015-09-08 16:10:16
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るるりらの 即興ゴルゴンダ