今宵の使者は
もっぷ

オリオンを確かめて
冬と悟る空に
白い吐息を吹きかけて
部屋に戻る少女たち

残された結晶たちは
さまよった末に
辿り着くのだろう
この夜も 夢へと

赤いバレエシューズ姿の女神が
そっと
微笑んで

バレエを踊ったことのない
あの娘の部屋にも

マリエを運ぶ その
お使いに選ばれたのは

今宵は

海から迷った
カモメだった



自由詩 今宵の使者は Copyright もっぷ 2015-09-08 12:14:12
notebook Home 戻る