林檎
りゅうのあくび

恋の果実を
収穫することを待ちながら
暑かった夏空は
熟れた林檎を
真っ赤な彩りに染めている
大切な人へと
恋を想って約束を
するときのように

真夏に夕焼けを
埋め尽くしたばかりの
しっとりとした夕空が
雨跡を道路に残しながら
太陽の陽射しを抱きながら
緩やかな風とともに
半月の夜空に溶けて行く

遠い日の夏空には
熟れた林檎に
そっと種を宿している
恋を果たそうとする
契りのように

かなり昔に
アイザック・ニュートンが導いた
万有引力の法則には
あらゆる恋の果実にもはたらく
重力がきっとあるだろう
地上の朝に恋の最中へと
再び堕ちる彼女と僕は
ひと粒の林檎でありたい


自由詩 林檎 Copyright りゅうのあくび 2015-09-06 19:47:13
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彼女に捧げる愛と感謝の詩集