林檎
りゅうのあくび
恋の果実を
収穫することを待ちながら
暑かった夏空は
熟れた林檎を
真っ赤な彩りに染めている
大切な人へと
恋を想って約束を
するときのように
真夏に夕焼けを
埋め尽くしたばかりの
しっとりとした夕空が
雨跡を道路に残しながら
太陽の陽射しを抱きながら
緩やかな風とともに
半月の夜空に溶けて行く
遠い日の夏空には
熟れた林檎に
そっと種を宿している
恋を果たそうとする
契りのように
かなり昔に
アイザック・ニュートンが導いた
万有引力の法則には
あらゆる恋の果実にもはたらく
重力がきっとあるだろう
地上の朝に恋の最中へと
再び堕ちる彼女と僕は
ひと粒の林檎でありたい
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彼女に捧げる愛と感謝の詩集