カウントダウン/今日は俺の誕生日
たけし
あなたは
逝ってしまった、
三十年前の来月今日
永遠に
永遠に追いつけない
のは
だから解っている
けれど、
この願望は濃くなる
ばかり
この思いは想いは
オモイ
年老いて
すべてを失い
そうして魂は生々しく
苦痛の洗礼を浴びては
いっそう生々しく
追いかけているんだ
あなたを
〇
アナタの全貌など知らない
アナタのスキームの
白き衣の透明な一端に触れ
天を仰ぐ俺はまた
アクマの情動に憤怒に駆られ
ながら
なんとか自らの傲慢を
明け渡そうと晒そうと
ただただ足掻く
昨日朝の静謐
流れいく白雲澄み
不断に不意に臨在する
あなたのアナタの愛に光に
秋風に吹かれながら
ふと襲われひざまづく
▲
アナタは永遠に無限の愛の主
私は永遠に孤立無援の徒
垂直の距離、埋めがたい距離
水平な、再愛のあなたさえいてくれれば
まだ我慢忍耐も持続するものを
この肉の苦痛発火苦痛
脳味噌を一突きにしてやろうか
殺ろうか!
(俺という人間は
外的掟や戒律を承認し解放されるには
余りに過剰な内的体験の謎に満ち
そうして
内的信頼を裏切られた傷を負い過ぎている)
さっき赤坂警察署から掛かってきた電話は何だ?
どいつもこいつも
公権力に訴えるのが大好きなんだな、
自分は姿を隠し
この素っ裸の俺に
□
なあ神さんよ
深い直観による認識を
深い愛による感情を
深い極みの創造を
雷鳴の如く響かせろ
今一度!
このいよいよ骨組みだけになった
荒ら家に
いっそう激しく混沌と