だから先に食べておきなって言ったの、エントロピー!
カマキリ

ものすごい音を立てながら
トタンの屋根を突き破って落ちていくものがあった
僕ァ 蛇にまとわりつかれていたもんだから
なんにも見えなかったんだ
奪われていく熱を思いながら
中で変わっていく細長い生き物の体温を感じている

泥のような拘束のあとに窓をあけてみたら
電気信号を撒き散らすなんらかの集会の痕跡があった
手作りのお粗末なメガホンが
電車が通るたびに川へ向かって影を伸ばしている
ほどよく暗くて
夕方と夜の区別がつかなくなって少し慌てたのだけれど
月のない日だったと、思うことにした






自由詩 だから先に食べておきなって言ったの、エントロピー! Copyright カマキリ 2015-09-02 02:34:41
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