真鍮の都
るるりら

おさなごには まず ハーモニカが あたえられる
くちびるにあたる真鍮のつめたさに
まぶたは すこし 重くなり
息を吹きかければ
こころは しだいに透けてくる
 
ひとつひとつの客席に
金管楽器が置かれ
楽器に手が触れたら もう
だれひとり席を立つものはいない
人々の身体は もはや黄銅と化す
だれひとり音をはずす者も いない
ステンドグラスすら おなじ波長で揺れている



※ゴルコンダ参加のみなさまへ
ひさしぶりに参加させていただけて嬉しいです。
なんだか納得できなくて ゴルに出した投稿作品を大幅に改編しています。


自由詩 真鍮の都 Copyright るるりら 2015-08-31 00:29:53
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
るるりらの 即興ゴルゴンダ