極彩色の感情
藤山 誠

甲羅のように 硬い黒炭
割れた体に 赤いくまどり
ひとたびパッと 喜び吹かば
血潮のごとくに 真っ赤に燃える
黄色い火の粉が パチリと爆ぜた

ぐるぐる回る 水車を鞭打つ
しとどに流るる 白い泡水
怒りと怒りの ぶつかるところ
ぐるりぐるぐる 渦を巻く
青黒いあぶくが ざぶりと沈む

黒く静まる 林の中で
ふらりと吹いた 灰色の風
一人ぼっちで 哀しみあぐね
そっと静かに 息すら潜める
茶色い葉っぱ 千切れて落ちた

荘厳華麗な ラッパの音色
黄金の鐘が 鳴り響く中
ゆっくり幕を 閉じました
覗かれぬように 鍵を かけて
最後は自分で 見つけてくれろ


自由詩 極彩色の感情 Copyright 藤山 誠 2015-08-26 21:29:51
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