ゆがんだ夜
葉leaf




叫び声に満ちた夜だ
すべての距離が叫んでいる
だがこの叫びは全て
私自身の黙された叫びだった
闇がつぶれている
渦を巻いている
夜の風景ばかりが
激しく身をよじるが
私はもはや怒りを感じない
怒るべきとき
私の中には静かな安寧が
眼を閉じたままで
誰を殴ろうとも殺そうとも思わない
世の理不尽や不合理を前にして
私は静かにまどろみ
ただ風景ばかりが激しく被害する


自由詩 ゆがんだ夜 Copyright 葉leaf 2015-08-25 06:34:04
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