緑門③
信天翁

          臨死の翳を
微かに 背負いながら
徒労の日々と 無意味の夜毎を送り 迎え
スプリングベッドに
         猫背を沈めて
天井のモザイクを 
        眺めるとき・・・・
卒寿のおひとりさま には 
どす黒く ダブってくる物影が 浮かびあがる
無味乾燥な 若き日の スライドが
     今や 空虚な 廃墟となった
     消しがたい 
         リグレットとなって──


自由詩 緑門③ Copyright 信天翁 2015-08-24 20:33:11
notebook Home 戻る