シグナル結晶
竜門勇気


誰かがポケットに手を突っ込んで
枕元を通りすぎてった
灰に染まって焦げた声が
何度も胸に染み込んでく

誰かの言葉が混在している
夜明けと夕暮れは
一瞬だけ同じ

誰かを好きになる
誰かが心に悪さする
今日聞きたい音楽を聞く
明日聞きたくなる音楽を聞いておく
夕暮れが明ける

純粋じゃダメだ
純粋な他人になっちゃダメだ
そしたら一人でも
他人なんかいらなく

他人たちを混ぜて
一人になる
純粋な他人になっちゃダメだ
誰かの偽物になっちゃダメだ
生き物のふりをしてちゃダメだ


自由詩 シグナル結晶 Copyright 竜門勇気 2015-08-21 22:30:22
notebook Home