ズー


目を閉じて思うことがある
ここから北に行けば行くほど咲ききれてない花もきっとまだなんてこと
僕はたばこを吸うから窓をほんの少し開けておく
信号待ちの先頭が流れ出したら
風たちは歌うように踊るようにって
助手席の君は鼻をこすりながら目を閉じている
咲ききれていない花はそんな風に思われていた

お義母さんから譲り受けた軽自動車に夏タイヤをはかせたら
僕たちは僕たちの休日をはじめる
どこか遠い北の方では雨が降り続いているかもしれない
降り続けて降り止まないかもしれない
そんなことを話しながら僕たちは喉が渇くまで車を走らせる
BGMはいつもシティ―ポップ
だった気がするし
風たちの歌声や花が咲いていくような音だった気がする
もしくは君のくしゃみだった




自由詩 Copyright ズー 2015-08-19 19:35:32
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