火花
あおい満月

なにもしていない。
けれどこの手は何かを求めている。
白昼夢のなかで、
この右手は、
人混みを漁る。

ぶつかった誰かの
心臓に手をのばして
心房と心室の流れをまさぐって、
誰かのルーツを盗み観る。

からからからから、 笑いが溢れる。
前世からの大切な
告白さえも、
口にしてしまえば
灰になる。
ならば、紙ヒコーキにして、
夕陽に飛ばそう。

繋ぎあった手と手が、
いつの間にか真っ赤に燃えているね。
太陽の火花が、
二人に堕ちてきた。


自由詩 火花 Copyright あおい満月 2015-08-16 19:39:45
notebook Home 戻る