炎天
そらの珊瑚
発火する手前で
なんとか世界は持ちこたえている
そんな暑さだ
空へのばした緑の手は
もはや力なく横たわり
おそらく
何もつかめないまま
花さえ咲かすことのないまま
明日には
残骸になるに違いない
それも仕方のないことか
けれどまだ
死んではいない
死んでたまるか
抗う命の先端を見よ
生きることを託された根は
ひび割れて
真っ暗な大地をさまよいながら
今も
ひとしずくの水を渇望し
深く
細く
潜行している
自由詩
炎天
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そらの珊瑚
2015-08-12 10:33:44
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