利休ルネサンス
レタス


ちりりんと今宵の風は静かに

百花繚乱沈香の花咲く夜

月宮に渡る桂の橋はそぞろ鳴る

羅国の涙はルビィ色

手のひらに転がる珠玉に酔う

真夜中に彷徨い歩き青蛾に触る

今宵は静かにヴィオラダガンバに沈む

問うても応えぬ我が師匠

一輪の花を手向ける指先

漆黒の庵に浮かぶ山吹桃山に

天目の碗を包み溶けゆく

一口の香り備前に漂う

望月に往きたし花埋み


俳句 利休ルネサンス Copyright レタス 2015-08-09 01:13:09
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