夾竹桃/即興ゴルコンダ(仮)投稿.61
こうだたけみ

くるりと回すと宝物は潮の匂い、使い込まれたそれらはところどころ錆び、いっぱいあるけど違いがわからないって言うと笑う顔に歯がない、かつてキスやらクサフグやらと一緒に愛車のトランクに入れられたそれらはこれだけ左利きでも使えるんだよっても一度回されるくるり、タクシー走る道路の脇には夾竹桃が植わり、あのピンクの花には毒があるんだって知ったのは小学生だったし、なんで毒があるものを植えるのかなって不思議に思うのは今の私、ピンクなんて大嫌いだったのは昔々の私。少しずつだけれど冷静になりつつある私たち、花や枝だけでなく土にも毒があることを忘れずに、強い海風にも負けない逞しさで咲け。


自由詩 夾竹桃/即興ゴルコンダ(仮)投稿.61 Copyright こうだたけみ 2015-08-08 21:53:22
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