夾竹桃
あおば

      150808

考えたら
わたしは
夾竹桃を
見たことが
あっただろうか
夾竹桃は夏の花が先行し
後から花のイメージが付加され
がっちりと定着したようだ
わたしが夾竹桃と思っていたのは
貸家の入り口横に生えていた花木
夏になると鮮やかな白が目に染みる
枝は元気に伸びて隣家に入り込む
苦情が来るかもしれないと刈り込む
梅雨を迎える年中行事だった
今は、花木もない場所に立っているが
夏になるとあの懐かしい夾竹桃を思い出す
夾竹桃、夏を象徴するに相応しい
次々と咲き続ける
丈夫で美しい大きな白い花びら
毒があるなんて知らなかった
何度も素手で手折ったりもしたし
葉も毟ってゴミ袋に入れたりした
その懐かしい花は芙蓉だったのだ
派手な夾竹桃とはかなり趣が違うが
これも、夏を代表する花と言っても
構わないと頭の中のイメージを
スワップさせながらいつかの光景を
いつまでも眺めている



初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/






自由詩 夾竹桃 Copyright あおば 2015-08-08 12:04:15
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