頭のなか
アンテ


ホントにごめんね
って
この先もうまく言えることは
永遠にないだろう
今さら言葉にするまでもなく
過去の偉大な歌たちが
くり返し
そう告げている

これしかないんだ
大見得を切ったくせに
こんな情けない音
愚痴の言葉しか出てこない
ラララ
愛だのオンリーワンだの
ギターに口づけても
人工物の味しかしないんだ
ラララ
だけど
一度やめたら
なにもなかったことになって
失われて
永遠にもどってこない

なんてタチの悪い

偽物
って呼ぶんだってね
模倣
って犯罪なのかな
自分の気持ちがあれば
なにをやってもいいのかな
伝えたいこと
たくさんあった気がするのに
グルグル
同じところを回って
終点のない電車に
一日じゅう揺られている気分

謝る理由
思い出せないけど
とりあえず
ゴメン
どうせ気持ちなんて
今この瞬間
のこともわからないのに
なにが本当とか
なにが大切だとか
どうやって選べばいいのか
わかんないけど
歌にすれば
それは確かにあったんだって
思えるから

思えたって
どうなるわけでもないけれど


「Poison」 #19
inspired by ぽわん 「憂鬱なティティ」



自由詩 頭のなか Copyright アンテ 2015-08-08 07:48:23
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Poison