& ロイド
楽歌

忘れられてしまったロックミュージカル
こっそりと映し出したあたしの瞼
心臓の位置を確かめるように触れた
人口皮膚で覆われたビス止めの胸

感情線を辿ろうとして俯いた
ビードロみたいなてのひらが軋んだ
こんなときに泣くためのスイッチはなくて
人間に少しだけ憧れて


車が空を駆け抜けた時に
あの人の夢なら死んでしまった
試験管で産まれてくる命に
あたしと同じだと呟いてみせた


部屋の片隅でプラグを挿して
明日に何をして生きるのかな
このまま全てを使いきれたら
明日にはスクラップ
次から次へと


指先で言葉捜して
胎内に潜んでみたいな
ロザリオに奇跡を願えば
笑われてしまえ閉じた瞼の裏で
ジーザス・クライスト・スーパースター


自由詩 & ロイド Copyright 楽歌 2015-08-06 11:58:07
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