昼のプールと強がる落ち葉
あおば

        150804

イメージの缶詰を足で踏み潰す
踏み潰したら、蹴飛ばしたら
昼のプールに飛び込んで
息を深く吸い込んで
底に沈んだ落ち葉を拾うんだ
まだ5月、冷たい水に飛び込んでは
落ち葉を拾い集め、籠に集めた
清掃作業が始まる前に
息をつめて潜るんだ
イメージの缶詰は、ギューともなんとも鳴かないで
プールの横に転がって、清掃業者を待っている
水が抜かれ、ブラッシングしたプールは補修され
今年のシーズンを迎えるのだと
強がりを言う落ち葉たちは、一足先に乾かして
大型のイメージの缶詰に押し込んで蓋をして
今度はロードローラーで潰してもらう
ぺちゃんこになった缶詰からはなんの声も聞こえないけど
勇気凛々、胸を張りとやせ我慢のスローガンを合唱している
それを聞くのは、プールの横に転がっている
凹んだイメージの缶詰だけだが
僕が潰したから今でも恨んで何も言わない
聞こえない声を押し潰してやせ我慢を強行する
体育の先生が大声を放つ
冷たい夏のプール教室が来週から始まるのさ

初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、はかいしさん。






自由詩 昼のプールと強がる落ち葉 Copyright あおば 2015-08-04 23:31:26
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