〈花々の流竄〉
ハァモニィベル


蟻は汚染された土壌を
歩きながら、
花に出会った。
花は土壌から芽吹いた。
笑顔のまま生まれた祈り。

手のひらに、
流れ落ちる
黒い涙が、
咳き込みながら
抜け落ちた束の間を
追憶する。

蟻は、土壌を歩きながら、
花は、傘のように雨に揺れて、
朝のうたを思い出した。

(今日も)

青空が産まれる。
瞳には映らない
名前も無い
祈りが







自由詩 〈花々の流竄〉 Copyright ハァモニィベル 2015-08-04 17:57:39
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