〈ヘメロカリスの夏〉
ハァモニィベル



鮮烈な闇の中で
炸裂する
赤い青空
遙かに千切れさった
芥子粒のような祈り

忘憂(ワスレ)草を身につけた群衆の
漠とした大地の上を
勿忘(ワスレナ)草を胸に抱いた乙女は
咳込みながら羽撃く
炎の蝶になって

宇宙の片隅の
片隅の片隅の片隅の
・・・・片隅で

目前の
今が燃えている







自由詩 〈ヘメロカリスの夏〉 Copyright ハァモニィベル 2015-08-04 17:55:59
notebook Home 戻る  過去 未来