もり



茹だる暑さ
蚊に刺され
腕をかきむしりながら
草もむしって
お米は炊かなくていいのかな
そんな疑問 胸にしまい
手を合わせていたころ
頬を伝う汗と
線香の香りにくらくらした
たまに目をあけて チラッと
母の横顔を確認して
おごそかな表情に
少し不安になったり
「カキ氷が食べられますように」
ひいばあちゃんに小声でお願い

天国なんてない
今ではそれにも 一理あるけど
それじゃあ あの日のカキ氷の
美味しさは 一体なんだったのさ





自由詩Copyright もり 2015-08-03 15:26:45
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