夕日
たもつ


安売りをしていたので
星をひとつ買った
命名権付きということで
相応しい名前を小一時間考え
以前飼っていた犬の名前をつけた

部屋の電気を消すと星は仄かに瞬いて
偽物みたいに綺麗だった
明日は観測用の天体望遠鏡を買おう
と思ったけれど
朝になったら消滅していて
跡形も残ってなかった

夕方、星の登録所に行った
いくつかの添付書類と一緒に
命名届けと消滅届を出した
書き方のわからない欄は
窓口の人に聞きながらその場で記入した

少し遠回りをして夕焼けを見ながら帰った
かつて
お手の下手な犬がいて
犬と同じ名前の星があって
犬に名前をつけた人がいた
今でも覚えている
その人と見る夕日が大好きだった、と




自由詩 夕日 Copyright たもつ 2015-08-01 21:52:28縦
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