夏休み
藤原絵理子


同じ電車に乗って 毎日同じ汗をかく
風景は少しずつ変わっているはずなのに
同じようにしか見えなくなる 馴れ合い
美しい森に迷い込んで 彷徨って自分を見失っている


煽てられて 舞い上がって 化粧をして
やりたくもないことに 意味づけして誤魔化す
それだけで 日々はやり過ごせる それなりに
変化することに 嫌悪を恐れを抱くようになる


太陽に焼かれた 午後の空は
ピンク色に焦げて うんざりする熱風を切って
日に焼けた少年たちは 謂れのない自信に


陽炎に揺れて アスファルトに
名も知らない雑草が立っている みっともなく
萎れながら 逞しく 雨を待っている



自由詩 夏休み Copyright 藤原絵理子 2015-07-31 22:40:48
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