バスタブ
あおい満月

私の目に、
迸る閃光が飛び込んでくる。
その人は、
腕から、
指から、
目から、
髪の毛一本一本にいたるまで
揺るがない何かを放っている。

(触れてはいけない)

警報が鳴るけれど
私は近づかすにはいられない。
昨夜、
全身を感電して
死んでいく女の夢を見た。
深夜の台所は、
薄明かりのしたで
びりびり震えている。

迸る閃光が、
私を抱きに、
パソコンの画面から手を伸ばす。
私は促されるまま
ゆっくりとバスタブに消えていく。
水面が光を帯びて
閃光は閃光と肩をぶつかりあう。
私の産毛が波立ち
目から青い閃光を放つ。


自由詩 バスタブ Copyright あおい満月 2015-07-30 22:10:27
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