夏のうつ
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どうにも逆らえない流れに
私は闇の渦へと招かれる
苦しまずに生きることも死ぬことも
選べぬ身分の重しに
私は叫ぶことも忘れた
ぶよぶよとした柔らかい繭にくるまって
固く死んでしまった児を救うことはできなかった
一歩も踏み出せずに私は死にゆくのだ
私は死ぬしかないのだ
私は死ぬしかないのだ
泣いたところで逃れることはできないのだ
許されぬ
許されぬ
後戻りは誰もできない
許されるなら家に帰りたい
蝉しぐれが聴こえる
自由詩
夏のうつ
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2015-07-29 16:33:35
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