人生は風と旅
Neutral

生まれて初めてネット喫茶へ行って
ベッドのように深くもたれかかる事の出来る大きな椅子に座って以来
僕は椅子に深く腰掛けるのが好きになったのかもしれない
いつかあの椅子を買うことを夢見て

それでも 僕は
椅子の足を深々とその身に食い込ませる絨毯の痛みを想像してやまない


あなたが食べたいと望むなら
僕はどんな料理人にでもなれる
ハンバーグ、カレー、味噌ラーメン
食べ物を作る事の楽しさもつらさもみんな肉や野菜が教えてくれた

それでも 僕は
いつも残飯だけが置き去りにされる結果を変えられない


言葉の持つエナジーは偉大だ
想像は果てしなく膨らんでいく
たった一行の詩で自分すら魅了してみたいから
僕は自由に生きる事を止めない

それでも 僕は
どこからか去来する果てしない岸壁のイメージに全てを塗りつぶされてしまう


好きに生きてきたつもりだ
自信をもってそう言える
誰にも邪魔されなければ理想通りに生きていける筈なんだ
だからこれからも誰にも邪魔されないように生きる

それでも 僕は
ブービートラップのように過去から飛んでくる過ちにいつもあっけなく絡めとられる

だから 僕は
どこへ行っても悩みばかりなのだと言う


諦めろと人は言う

将来という言葉の持つ意味をそろそろ知らなければいけないのかもしれない

それでも

空は青く 樹は厳かで

風はたった一吹きで 世界中の誰もを一度に抱きしめる事が出来る力なんだ

だから僕は自分が楽しいと思う事を諦めたくない


自由詩 人生は風と旅 Copyright Neutral 2015-07-26 23:06:11
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