あおい満月

かなぐり捨てたいものは、
その背中にはりついた。
私の羽根だ。
羽根は強烈な接着剤で
その無駄のない背中にはりついているから、
私は私のなかの
あらゆる感情を破くのだ。
破けば破くほど
あの身体を欲してしまう。
私はもう、
どうすることも出来ない。
雑踏に取り残された。
雑踏が私から遠くなる。
私はひとりになって
叫ぶ声を抱く。
声と鼓動をあわせる。
あらゆる感情を制するために。





自由詩Copyright あおい満月 2015-07-26 19:56:46
notebook Home 戻る