ハローバイバイ
モリマサ公

毎日夕焼けが違うという人たちの
感動を強要させようとするきしょい行動
同じ夕焼けなんてないの
だからなに
全部違うからなんかすごいの?
シャッターというチャンスの連続が
この世界という存在
だからなに的な意味で生きてるの怖い
君がこちらを見るときの笑顔は本当に
美しいという形容詞
永遠という事実
それって変態のいい訳でしょ?
適度に嘘ついて
傷つかないように逆に軽く傷つけて
コンビニで買うものももう全然なくて
悲しみの淵とか言うベットに沈んでいきながら
君の名前をつぶやいて
つぶやいて
好きすぎて死にそうな
そのときのみじめな気持ちが
本当は気持ちいいんでしょ?
地球はがんばってる
星の内側で激しくマグマを流動させて
わたしたちの血よりも熱くにえたぎってる
しらじらしく冷えきった
昼の部分の青と夜の部分の黒
いつもよりばかばかしい重力
呼吸のやりかたなんかもうわかんなくてもいいかな
目を閉じれば地平線
いつのまにか泣いている瞬間は
ぼろぼろと
フローリングにこぼれ落ちて床を汚していく
固くしぼったぞうきんを
何回もかけているストーリー
今の連続が
ここ重要な?テストにでるから
これマジ平凡なとかいう大切なキーワード
台所のシンクをぴかぴかに磨いたあとに
うす汚れたやかんをながめる
体は重く疲れていく
ずらっと並んでいる真実
ハロー
さみしさで満載の世界をいまも作りつづけてるわたし
バイバイからっぽのジャングルジムとゆれつづけてるブランコ
あれはなんだろうね
窓の内側の家族のしょうもないインスタレーション
指先でなぞりながら満ち足りた輪郭を
全否定する
最近聞いた歌の頭の部分を繰り返す
わたしアナウンサーになれない
文字で知る知らない人の事故
いつか忘れちゃうタイムライン
ながれてしまった過去たち
蓄積された記憶のゴミがつぎつぎ砂漠を作ってる
ゲリラ豪雨に全身を奪われながら体だけ走ってる
停電した信号機は真っ暗
道路には泥水が流れて
わたしたちは船みたいに交差点を沈みながら曲がる
ノスタルジックが提示されてる
財布の中身はいつもからっぽ
もしもしあたし?
つながらないスマホの画面を顔に押し付けて
もしもしあたし?
ピクニットシート
サンドイッチとバスケット
リネンのワンピース
もしもしあたし?
ひとりぼっちなのか人類という記号なのか水草なのか
ツタヤの中を水平になって徘徊しながら
太陽のことを考えています
ハローバイバイ
のしあがってやるからみてな的なセリフが繰り返され
まわりにいるみんなにマジ感謝とかいうぼくたちはパーカー着て韻を踏んで
想像をはるかに下回るリサイクルメッセージをドヤ顏で発信している
ここな?時代背景とともにテストにでるから結構重要!
空気の中をしらさぎが横切っていく
あれはなんだろうね
何度もスローで表示されながら時間という概念が
伸びたり縮んだり
ギリギリまでスピードをあげながらどんどん失われていく
開いたままのまぶた
吹き飛んだ足
なにがなんだかわからない場所
わたしアナウンサーになれない
湯船に浮かぶ浮き輪
全身を奪われながら体だけ走ってる
だからなに
もしもしあたし?
あれはなんだろうね
海にいってもなんにもみえなかった
感動なんかしなくても
呼吸のやりかたなんてわかんなくていいから
軽くしぬくらいなら泣いちゃいなよ

だまって意味不明なくらいなら
とりあえず大丈夫だから
泣いちゃいなよ







自由詩 ハローバイバイ Copyright モリマサ公 2015-07-25 17:19:22
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