空のゆくえ
あおい満月

あの日からずっと、
空のゆくえを探している。
鏡のまえで
呪文のように
六文字を唱えただけで
空は私から姿を消してしまった。
そこは、
私にとっての天国だった。
パラダイスよりももっと深く、
優しくそして強い
私のヘブン。

はじめてだった。
私の前に現れたあの瞳は、
私の中心の奥底を射抜いた。
今でも強く想う。
如何なることがあろうと、
私はあの瞳を守ると。
触れ合うことが出来なくても、
あの心の命は守ると。

真夏のアスファルトに
溶けてしまいそうな腕を振り上げて
叫びたい。

(私は負けない)

空は月影に隠れている。
星のない空には
三日月が指を出して
何かを合図する。

(今だ)

私は思いつき、
携帯電話を開ける。



自由詩 空のゆくえ Copyright あおい満月 2015-07-24 22:31:25
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