無題
渡辺亘

私が死ぬ時
はじめて言葉は息を吹きかえすだろう
私が言葉に命を捧げる時
はじめて言葉はよみがえるだろう
私の身体が消滅する時
はじめて言葉は受肉するだろう
書けないなら
書けないと書かねばならない
書けるなら
君の胸に
光源が点るまで
叫び続けねばならない
言葉に命を捧げる覚悟ができるのなら
生活は充実してくる
それと同時に陰もできる
陰影は濃く深く
絶望が深い故に
希望は輝く
新しい言葉は
新しい生活
新しい人生
言葉を生きることは
生命を生きること
言葉を生きることは
生命を生きること
希望という言葉は
なんて輝く光源だろう


自由詩 無題 Copyright 渡辺亘 2015-07-24 22:19:49
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