抱く
かんな




この乾き。夏の、
とっくに過ぎ去った逃げ水が
ひとり影法師を探す
刻印のある手紙についておもう

頭痛が呼び覚ます記憶
思い出すことも忘れることも
間違いのように、車窓の
景色に取り残されたままのわたし

夕陽の切り取り方を知らない
あたりまえすぎて、
もっと。足りないと
こどもと同時にすべてを抱きしめる





自由詩 抱く Copyright かんな 2015-07-24 16:08:56
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