太陽の骸
草野大悟2

白濁する森で。

蜘蛛が
雨糸をゆらすと、
針の穴ほどの
光たちが
きらきら
溶けあい、
うっすらと
午前十時五十分の星座が
現れる。

欲情する樹々が。

目覚めている
、という夢をみていて
逃げ遅れた妖精が
尻尾を踏まれ
魔物、と
よばれるようになったとき、
環のまん中で
磔にされていた
太陽の骸が割れて
虹が産まれたんだ。

充満するオゾンは。


自由詩 太陽の骸 Copyright 草野大悟2 2015-07-22 21:26:06
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