わたしが誕まれた日
伊藤 大樹

葉が
笑うように
波うつ

五線紙のうえに
窮屈そうに
散らばる
音符と休符

人は
歌うことを
ためらっている

それでも
陽は
けなげに昇りつづけ

詩の一行が
推敲されて
省エネされる

幾多のパンが焼かれ
幾多のコーヒーが注がれ
世界は
匂いに満たされていく

存在に
立ち向かっている
自然よ
風よ
わたしもおなじだ

こんな朝
わたしは
誕まれたのか
知らん


自由詩 わたしが誕まれた日 Copyright 伊藤 大樹 2015-07-11 10:29:21
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