蛍の光
ヒヤシンス
清らかな小川の流れに言葉は産まれ消えてゆく。
願いは祈りになりあの山の向こうへ放たれる。
初夏の訪れと共にやってくる想像を
使い古した手帳に書き留める。
白樺の林の中で虫たちは蛹になり静かに時を待っている。
すべては一度きりの体験で尊い命に永遠はない。
それでも私は求めるものを探している。
一つの創造が永遠になることもあるのだ。
日雇い人生でも感謝をしよう。
悲しみの中にひとかけらの喜びを見つけよう。
絶望の灰の中から希望の光を探し出そう。
凛とした冷たい山水に浮かぶ未来は
過去のどんな行いよりも清く美しい。
私は私の手帳に蛍の光を見たのだ。