戸惑い
未有花

扉を開けると
眩しい光が飛び込んで来た
どよめく喧騒に包まれれば
異国に迷い込んだ気がした

*

時計の針がふいに
真夜中を知らせる
堂々巡りの物思いに
いたたまれず朝が来る

*

友達だと思っていた
まさかのあなたからの告白
どっちつかずの距離のまま
今さら恋人になんてなれないよ

*

遠くまで来てしまった
町並みも夕闇に沈み
どんどん暗くなって行く
石畳の道に途方に暮れる

*

登場人物が多すぎて
まったく犯人を特定できず
どんでん返しの結末に
未だ真相は謎のまま

*

透明なガラスに映る
まがい物の月の影
どこか空々しい部屋の中
いびつな夢に戸惑っている


自由詩 戸惑い Copyright 未有花 2015-07-06 09:29:18
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