あいづち
番田 

私は通りかかる
今日も美容室の前を 私は
窓際で頬杖をついて 彼女が
客が来るのを待っているのを見る


雨の中
彼女は何年もそうしてきたかのように
じっと 通りを行く人を見つめていた
しかし そうしていても 誰も客は入らない


私はランニング中だったので
公園の方に向かって走った
そして考える 私はまたあの店に行くべきかを
美容室は 街に星の数ほどあるわけだが


たしかに好き嫌いはあるかも知れないな
小道ですれ違う公園の中のネコを追いかけながら
ふーんという 彼女のするそっけないあいづちを思い出す
もう何年も 人にしてきたあいづちを


自由詩 あいづち Copyright 番田  2015-07-05 22:57:47
notebook Home 戻る