あいづち
番田
私は通りかかる
今日も美容室の前を 私は
窓際で頬杖をついて 彼女が
客が来るのを待っているのを見る
雨の中
彼女は何年もそうしてきたかのように
じっと 通りを行く人を見つめていた
しかし そうしていても 誰も客は入らない
私はランニング中だったので
公園の方に向かって走った
そして考える 私はまたあの店に行くべきかを
美容室は 街に星の数ほどあるわけだが
たしかに好き嫌いはあるかも知れないな
小道ですれ違う公園の中のネコを追いかけながら
ふーんという 彼女のするそっけないあいづちを思い出す
もう何年も 人にしてきたあいづちを