Choral
草野春心
天使は窓の縁に座り
少しずつ透き通り 外の闇と
見分けがつかなくなってしまった……
バッハの遺した鮮やかなコラールが
床の木目に 僅かな痕をのこした
後
(
のち
)
私たちはおずおずと話を始める
野犬がみている
裁ち鋏がみている
湿り気をおびた風がみている
天使の形にきりぬかれた
闇のするどさが 私たちをみている
自由詩
Choral
Copyright
草野春心
2015-07-04 21:25:44
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